ハンドドリップの分量に迷ったら、まず「何mL飲みたいか」を決めます。そのうえで、使うレシピの数字が、注ぐお湯なのか、出来上がったコーヒーなのかを確認しましょう。
1杯の出発点には、粉12g・注ぐお湯160mL・出来上がり約140mLという全日本コーヒー協会のペーパードリップ例があります。大きなマグカップを満たす量ではないので、「1杯」という言葉だけで分量を選ばないのがコツです。
目次
粉・注ぐお湯・出来上がりは、別々に見る
レシピを読むときに区別したいのは、次の3つです。
- 粉量:ドリッパーへ入れる、乾いたコーヒー粉の重さ。
- 総注湯量:蒸らしから抽出終了までに、粉へ注ぐお湯の合計。
- 出来上がり量:抽出を終えたとき、サーバーにたまったコーヒーの量。
注いだお湯が、そのまま全部サーバーに落ちるわけではありません。粉やフィルターに水分が残るため、総注湯量と出来上がり量は異なります。差をいつも同じmLと決めつけず、選んだレシピでどちらを測るかを揃えます。
蒸らしのために注いだお湯も、総注湯量に含めます。一方、粉を入れる前の湯通しや器具を温めるお湯は、抽出前に捨てる別のお湯です。蒸らし中にサーバーへ落ちたコーヒーは捨てません。

1杯なら、粉12g・お湯160mLの例から
全日本コーヒー協会の基本例は、三つ穴のペーパードリッパーを使い、粉12gに合計160mLのお湯を注いで、約140mLを仕上げるものです。ここでの160mLは、出来上がりではなく注ぐお湯の量です。
| 条件 | 粉量 | 注ぐお湯 | 出来上がり |
|---|---|---|---|
| 全日本コーヒー協会の1杯例・三つ穴ペーパードリップ | 12g | 合計160mL | 約140mL |
| ウエシマコーヒーの2杯例・中煎り/中深煎り | 約22g※ | 分量表に総量の指定なし | 290〜300mL |
※2杯例の約22gは、公式表の「計量1杯約12g×1.8杯」を丸めた計算値です。別の条件の例なので、1杯例を倍にしたものではありません。
出典:全日本コーヒー協会「ペーパードリップ式」/ウエシマコーヒー「おいしいホットコーヒーの抽出方法」
最初の1杯を淹れるなら、粉量とお湯の合計を揃えて、この例を出発点にできます。V60やコーノなどの手持ちの器具で、具体的な淹れ方が決まっている場合は、その器具の記事にある条件を優先してください。
2杯分は「飲みたい量」とレシピを合わせる
2杯分でも、小さなカップ2つと、大きなマグ2つでは必要な量が違います。先に合計の出来上がり量を決めて、その量に合うレシピと器具を選びます。
ウエシマコーヒーの中煎り・中深煎りの例なら、出来上がり290〜300mLに対し、粉は計量1.8杯です。1杯分の計量1.0杯を単純に2倍する指定ではありません。粉量だけでなく、何mLを仕上げる条件なのかまで確認すると読み違いを防げます。
1杯用レシピの数字を全部2倍すれば、同じ味になるとは限りません。粉の層やお湯の落ち方も変わるため、初めは人数分の指定があるレシピを選ぶ方が条件を揃えやすくなります。ドリッパーやサーバーの容量も確認しましょう。
当サイトのコーノ式の淹れ方は、粉24gで出来上がり240mLを目指す記録です。「粉24gにお湯240mLを注ぐ」と読み替えず、注ぐ手順と取り外すタイミングまでセットで見てください。
はかりの上に何を載せるかで、測る量が変わる
粉量を測るときは、空の容器を載せてゼロにしてから、乾いた粉を入れます。計量スプーンは手軽ですが、豆や挽き方で同じすり切り1杯の重さが変わるため、g指定のレシピははかりで合わせると比べやすくなります。
注ぐお湯の重さを見るときは、サーバーとドリッパー、フィルター、粉をすべて載せ、注ぐ直前にゼロへ戻します。その後の増加分を見ながら注ぎます。途中でドリッパーを外すと表示が変わるので、最後まで同じ載せ方で読みます。
出来上がったコーヒーの重さを別に測るなら、空のサーバーの重さを控えておきます。抽出後にドリッパーを外し、コーヒー入りのサーバーの重さから、空のサーバー分を引きます。
はかりが表示するのはg、レシピのmLは体積です。厳密には別の単位なので、mL指定は容量の目盛り、g指定ははかりで確認します。注湯量をgで管理するレシピを使う場合は、最初からその指定に揃えてください。
分量が決まったら、器具ごとの淹れ方へ
粉量と出来上がり量が分かれば、次は注ぎ方です。コーノの条件をV60や金属フィルターへそのまま移すより、手持ちの器具の記事を選びましょう。
- V60の淹れ方:粉量と注ぐ手順を、V60での記録と合わせて確認。
- コーノ式の淹れ方:出来上がり量を見ながら取り外す手順を確認。
- KINTOステンレスフィルターの淹れ方:ペーパーとは異なる条件と、量の記録を確認。
道具で迷う場合は、ハリオのドリップスケールの記事や計量スプーンの記事も参考にしてください。まずは「粉・注いだ量・出来上がり」を分けてメモすると、次の1杯で何を変えたかを追いやすくなります。
